要介護状態になってから1割負担で介護サービスが使うことができる介護保険ですが、保険料は40歳以上になると支払うことになっています。
ただでさえ少ない給料から天引きされて、がっかりするし、そもそも要介護状態になった時なんて随分先の話です。医療保険であれば、明日にでもお世話になるかも知れないので、保険料を支払ってる意味も分かります。
でも、介護保険って高齢者と言われる65歳未満で支払うのって正直なところ損にしか思えないのですが、支払うメリットってあるのでしょうか?
将来へ備えての積立と考えて割り切るか?
介護保険への加入が義務である以上、その保険料の支払いも義務となります。徴収方法は、65歳以上(第1号被保険者といいます)は、原則年金からの天引き、40歳~64歳(第2号被保険者といいます)は、医療保険料と併せて徴収されています。
40歳から介護保険料を支払うものの、サービスを利用できなければ「払い損」になってしまいますね。さて「高齢者」の1歩手前の世代である40歳~64歳の方が介護サービスを利用できる場合はどのような場合でしょうか?
現役世代でも介護サービスを利用できる
第2号被保険者が介護サービスを利用できる条件は、「加齢に伴う疾病により要介護状態になった場合」とされています。これは、病気のうちでも高齢になることで発症しやすい病気により要介護状態になった場合には、介護保険のサービスが利用できるというものです。具体的には「特定疾病」【表1】といい末期がん、関節リウマチ等16種類が指定されています。
従って、この16種類の疾病以外で要介護状態になっても40歳~64歳の場合は、介護保険サービスが利用できないということになります。
若い世代の利用価値を考える
現在、介護保険の財源確保に対して、保険料の徴収対象年齢を20歳に拡大することが検討されています。20歳代であれば、特定疾病の16種類のどれかにかかる可能性は極めて低くなりますので「払い損」が懸念されます。この点については、障害福祉サービスの利用が対象となる可能性もあります。
【表1】特定疾病
1 | がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。) |
2 | 関節リウマチ |
3 | 筋萎縮性側索硬化症 |
4 | 後縦靭帯骨化症 |
5 | 骨折を伴う骨粗鬆症 |
6 | 初老期における認知症 |
7 | 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】 |
8 | 脊髄小脳変性症 |
9 | 脊柱管狭窄症 |
10 | 早老症 |
11 | 多系統萎縮症 |
12 | 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 |
13 | 脳血管疾患 |
14 | 閉塞性動脈硬化症 |
15 | 慢性閉塞性肺疾患 |
16 | 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 |
まとめ
- 特定の疾病になってしまった場合は介護サービスを受けられる
- 今後保険料徴収年齢が早くなる可能性がある
- 将来は障害福祉サービスの利用もできるようになるかもしれない
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プロフィール:介護福祉コンサルタントとして13年、介護関連著書2冊
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