要介護状態になったら、介護サービスを1割負担で利用できる・・・
介護保険の意味や必要性はないとは思わないものの、周りをみれば80歳以上でもジョギング、テニス、登山やゴルフなどを楽しんでいる高齢者もたくさんいます。常々、運動したり食事に気を付けていれば、寝たきりとか車イスとかが必要な要介護にならないようにも思えてきます。
保険を使うも使わないも、個人の自由だと思うので、適度な運動を続けているような人などは介護保険料の支払いをしなくてもよいという選択はできないのでしょうか?
国の制度で強制加入、40歳から一生支払い続ける
前回、介護保険料は住んでいる所や所得によって金額が違うことをお話ししました。
ちなみに、介護保険は国の制度として強制加入になっています。いくら健康に自信があって、将来介護サービスを利用する可能性が低いと自負する人であっても保険料は納めないといけません。
国の制度なので本人の意思とは無関係に、満40歳を迎えると医療保険料の徴収時に介護保険料も一緒に天引きされています。
健康保険と一緒に給料から天引きされる
給料をもらっている人は、給料から天引きされて、医療保険組合を通じて介護保険料が納付される仕組みになっています。自営業などの個人事業主の方でも、加入している健康保険組合に納付する納付時に医療保険料と含めて介護保険料を支払っているので、介護保険料だけ払いませんということはできません。
もし介護保険料を納めるのか嫌だからといって、医療保険料を納めるのをやめてしまったとします。ところが、いくら健康に自信のある人でも、怪我や病気に罹ることもあるでしょう。そこで病院やクリニックへ行き薬局で薬をもらう時、保険適用にならないので通常3割程度の負担のところが10割負担と高額な請求になります。医療保険だけに加入、介護保険だけに加入ということができない制度となっています。
退職後は年金から天引きされる
それでは、定年まで勤め会社を退職した後、介護保険料の支払いはどのようになるのでしょうか。年金受給者になると、健康保険とは切り離され、介護保険料という名目で年金から支払うことになります。そうなると、介護保険料を支払わないというのは難しいです。
天引き以外の方法もあるけど…
ただし、年金額が少額であれば、天引きではなく納付書による保険料の支払いになります。この場合、支給年金額が年間18万円未満が条件になるので、年金額がかなり少額の場合に限られる、ということになります。もし、うっかり納付を忘れてしまったりすると、先ほどの病院の支払いと同様に、サービス利用時に一旦10割負担となり、後で保険対象となる9割部分が支給される(払い戻される)ことになります。
元気なお年寄りになるのが理想
これからは高齢化もすすみ介護保険財政はますます厳しくなるでしょうが、制度を維持していくには今後どのようにしたらいいでしょうか。40歳からコツコツと納め続けるわけですから、将来いざという時には十分なサービスを受けたいものですね。
私、毎日ジョギングしたり、ジムにも通っているので同年代の人からも「年齢よりも若く見えるね」って言われるし、介護のお世話になる可能性が小さいと思うんだけどな。
会社員の人は給料から天引きされていますよ
あ。ホントだ!それまで明細になかった介護保険料って追加されてる!
介護保険料を払うのが嫌だからって、健康保険証を持っていなかったら、病院で10割負担になりますよ。
ただし、年金額が年間18万円未満の場合、納付書による保険料の支払いになります。
まとめ
- 現役世代は健康保険とセット
- 退職後は年金とセット
- 個別に支払うことはできない
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プロフィール:介護福祉コンサルタントとして13年、介護関連著書2冊
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